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アタシはドキドキして、レナードを見つめた。

レナードもアタシを見つめる。


だけど、ハッとして、正気に戻った。



レナード

「あ、わりぃ


ルディ

「いや脱げなかったアタシも悪いし


レナード

「えっと退くべき?」


ルディ

「なんで確認取るんだよ」


レナード

「いや、一応



レナードはなにか煮え切らない様子だった。

明らかに、今の状況に思うことがあるようだった。

アタシは、フッと笑って言った。



ルディ

「脱がせてよ」


レナード

「へ!?」


ルディ

「自分で脱ごうとしたら、こうなっちゃったからさ。レナードが脱がしてよ」



レナードは顔が真っ赤だった。

だが、ゆっくりとアタシの脱ぎかけのシャツに手を伸ばす。


レナードは丁寧に、時間をかけてシャツを脱がせた。

彼が息を呑む音が聞こえるくらい、部屋は静かだった。


もちろん、シャツを脱いでも、アタシはちゃんと服を着ている。


着ているんだけど


なんだろう。

素肌を見られているような気がして、恥ずかしい気がした。


レナードはアタシの上から退いた。



レナード

「え、えーーーっとルディ、この後どうすんの?」


ルディ

「え? えーっともう帰ろうかな


レナード

「そうだな。うん。その方がいい



変な空気になったので、アタシはレナードの部屋の窓に足をかけて、飛び立とうとする。



ルディ

「レナード」


レナード

「うん?」


ルディ

いや、なんでもない。またな」


レナード

ルディ」



レナードがアタシを言葉で引き止める。



レナード

「あの今日のことは忘れてくれ。俺も忘れるから。だから、また明日、いつもみたいに


ルディ

「ばーか」


レナード

「!」


ルディ

「ちゃんと忘れてやるに決まってんだろ! レナードとは、友達なんだから」


レナード

「え、友達だったの? 小悪魔の敵とかじゃなくて?」


ルディ

「え、あっ!!」



そういえば、レナードのことを友達とか言ったの、これが初めてだ。

アタシはバツが悪くてそっぽを向いた。



ルディ

「うっせ! 友達で悪いかよ!」


レナード

「いや


ルディ

「じゃあ、また明日な!」



レナードは、微笑んだような声で言った。



レナード

「あぁ、また明日」



アタシは空に飛び立つ。

空の青さが白々しいと思った。

また明日。

友達との約束だ。



END【お友達から】