【Aを選択】
アタシは覚悟を決めて、目をギュッと閉じた。
顎をそっと引かれる。
薄くて柔らかい、震える唇の感触がした。
男との初めてのキスに、恥ずかしくて頭が破裂しそうだった。
コンラート
「………」
おいおい…
いつまでこのままのつもりだ??
早く終わってくれ…
アタシは我慢できず、薄く目を開けてしまった。
ルディ
「!」
コンラートは、目を閉じていなかった。
赤面して、恍惚な表情をしているのが分かる。
ちょっと待て。
なんかこれは…
違くないか!?
ルディ
「ん、んんっ…!?」
コンラートの胸を押して離れようとするが、後頭部を掴まれて、より強く引き寄せられる。
その拍子に、息苦しさも相まって、口を開いてしまい…
+++++
どれくらい時間が経ったんだろう。
頭がボーッとする。
気が付けば、コンラートと2人並んで、路地裏で座り込んでいた。
ルディ
「………」
コンラート
「………すみませんでした」
ルディ
「謝るなよ…」
コンラート
「…すみません」
ルディ
「…アタシ、誰かとキスしたの、初めてなんだよね」
コンラート
「すみませんでした…」
ルディ
「……コンラート」
コンラート
「はい…」
ルディ
「その…アタシも、途中から、その…うん……」
言い切れなくて、顔が熱くなる。
コンラートも顔が真っ赤だった。
コンラート
「………ルディ」
ルディ
「うん?」
コンラート
「もう一度…」
ルディ
「!」
コンラート
「…と言ったら、怒りますか?」
ルディ
「…いや。ううん」
消え入りそうな声で言えば、コンラートはアタシの顔を横に向かせる。
アタシたちは、再び、唇を重ねた。
END【路地裏での秘事】