A


Aを選択】


ルディ

「レナード、もうちょっとお土産のお菓子食べてもいいか?」


レナード

「いいけど、他のみんなの分も残しておいてくれよ?」


ルディ

「はーい」



アタシはお菓子を一つ頬張る。

レナードも横から一つ、お菓子を頬張った。



レナード

「このお菓子美味かったよな〜」



アタシは天空の階名物・天使饅頭の包装を手に取る。



ルディ

「ほんと、美味しかった! 風の城って確か陸地の階より3階層上の天空の階にあるんだよな。アタシ行ったことないんだよな〜」


レナード

「俺もないなぁ。なんかめっちゃ寒い土地だとは聞いてるけど、ジョシュアは薄着だったよな」


ルディ

「ああ〜、そうだったな」



ふと、アタシはレナードを見て、笑う。



ルディ

「レナードは、その半裸の格好じゃ天空の階には行けないな!」


レナード

「さすがに寒いとこでは、普通に服着るって!」



歯を見せて笑うレナード。

屈託のない笑顔だ。



ルディ

「なぁ、レナードはなんでそんな半裸みたいな格好してるんだ? 服嫌いなのか?」



レナードの格好は、上裸にベルトを巻いた格好。

ワイルドというか、なんというか

レナードは嬉々として言う。



レナード

「俺、強い男になりたくてよ! だから、強そうな格好してんだ!」


ルディ

「つよ、そう?」


レナード

「強そうに見えないか?」


ルディ

ノーコメントで」


レナード

「えぇ!?」



強そうというか、若干SMチックな格好に見えるというのは黙っておこう。



ルディ

「それにしてもん〜!」



アタシは伸びをする。



ルディ

「気が抜けて、なんかドッと疲れちゃった。せっかくだし、雨の屋敷でのんびりしていこっかな〜」


レナード

「お! いいぜ。ゆっくりしてってくれ」


ルディ

「サンキュー」



レナードは普通に良いやつだから、気を置かなくて済む。

アタシはソファにごろんと横になった。

うとうとと眠くなってくる。



レナード

「あれ? ルディ、眠いのか?」


ルディ

「ん〜ちょっと昼寝するな〜」


レナード

「そんなとこで寝たら、風邪引くぞ」



レナードの声が遠い。

アタシは瞼を閉じて眠りについた。



+++++



意識がゆっくりと浮かんでくる。

まだ目を閉じたままだ。

初めに、嗅ぎ慣れない香りがした。

太陽みたいな、それでいて力強さを感じる香り。

男の子の香りだ。

次に、体の上に、布がかぶさっている感覚。感触からして、布団だ。

アタシ布団なんて被ってたっけ?

意識が鮮明になってくる。

これはソファの感触ではない。


アタシは目を開けた。



ルディ

「ん?」



木造の天井が目に入る。

ちょっと左右を見れば、ここがベッドの上だということが分かった。

雑に物が置かれた部屋。

ベッドの傍らに、金髪の頭と背が見える。レナードだ。



ルディ

「え? あれ?」


レナード

「お! ルディ、起きたか?」


ルディ

「レナードまさか、ここ、レナードの部屋?」


レナード

「そうだぜ! さすがにソファで寝たら風邪引くだろうから、俺の部屋に移しておいた」


ルディ

「なんか悪いな。ありがと。アタシ、どれくらい寝てた?」


レナード

1時間くらい。まだみんな帰ってこないし、眠かったらもうちょっと寝てていいぞ」


ルディ

「そっかぁ



そう言った時。

レナードがくしゃみをした。



ルディ

「レナード。さすがに半裸で寒いんじゃねーの?」


レナード

「そうかなぁ?へっくしゅ!!」



アタシは