A-B-A


Aを選択】



ルディ

「アタシのこと、どう思ってる?」



レナードは頬を赤らめ、じっと、困惑の混ざった顔でアタシを見つめる。



レナード

「ルディって意外と可愛い顔してんだな」


ルディ

「意外と、ってなんだよ」



呆れて笑ってやれば、レナードも苦笑する。



レナード

「いままでさ、意識したことなかったから。ルディのこと」


ルディ

「今は、意識してるってこと?」


レナード

「まぁそうなるか」



ポリポリと気恥ずかしそうに頬をかくレナード。

アタシは、優しく微笑んだ。



ルディ

「どうする?」


レナード

「なにが」


ルディ

「この後」


レナード

「この後って



アタシはレナードの耳元で囁き、誘う。



ルディ

「もっと凄いこと、しちゃう?」



レナードの体温が1度上がった気がした。



レナード

「そそれは今はやめとく


ルディ

「はは! 意気地なし!」


レナード

「そう言ってくれるなよ」



アタシとレナードは額をコツンと当てて、笑い合う。



ルディ

「レナード。教えてよ」


レナード

「何をだよ」


ルディ

「アタシのこと、好き?」


レナード

「こんなとこで言わせんなよ。いつか、ちゃんとしたとこで、ちゃんと言うから」



アタシとレナードは、まだしばらく布団の中で、お互いの体温を感じ合っていた。



+++++



後日。

晴れた日の、雨の屋敷の庭。



レナード

「ルディ! 好きだーーー!!!」


ルディ

「叫ばなくても聞こえるって!」



レナードの仲間である雨の神とその従者たちも同席して、庭でパーティを開く。



クレイヴ

「まさか、レナード君とルディちゃんがねぇ〜。一体いつどこで何があったんだか!」


カンネ

「おめでたいことですよね! レナードさんに彼女ができたんですから!」


セシル

「レナード君もルディもよかったね!」


ハミル

「これでルディが悪さをすることも減るだろう。良いことだ」


ルース

「はあ。まぁ、おめでとうございます」


レナード

「みんな、祝ってくれてありがとうな!」



アタシたちは食事を楽しむ。

レナードはアタシに言った。



レナード

「ルディ、いつか同棲しような」


ルディ

「うん! めっちゃ楽しみにしてる」



レナードはわざとらしく咳払いをし、かしこまって小声で言う。



レナード

「同棲したらあの日の続きも、な?」



レナードの言葉に、アタシは彼の背をバシンと叩く。



ルディ

「今そんなこと言わなくていいだろー!」


レナード

「いたた! わりぃ、つい


クレイヴ

「なになに? 恋人同士で秘密の会話かな?」


ルディ

「そうだよ、秘密だよ!」



賑やかなパーティ。

アタシは、隣に彼氏がいることを、本当に幸せに思うのだった。



END【隣にある幸せ】