【Bを選択】
ルディ
「やっぱり、コンラートはカッコ悪いなぁ」
コンラート
「うぅうう…」
ルディ
「でもさ。そんなコンラートのことを好きになってくれる人も、きっといつか現れるんじゃないか?」
コンラート
「それ、フォローになってます?」
ルディ
「え、フォローになってないか?」
コンラート
「私は、私が好きな人と、一緒に暮らしたいですね」
ルディ
「そっかぁ」
コンラート
「……ルディ」
コンラートは改まって言う。
コンラート
「今日のハンカチ。大事にしてくださいね」
ルディ
「え? まぁ、タンスの奥にしまっとくけど…」
コンラート
「それでも構いません。ずっと、とっておいてください」
ルディ
「う、うん…」
コンラートは何か心に決めた様子だった。
+++++
数年後。
陸地の階のとあるマンションにて。
バタバタと朝の支度をするコンラートと、エプロン姿で朝食の準備をするアタシ。
ルディ
「コンラート! 朝ご飯は?」
コンラート
「サクッと食べて行きます!」
ルディ
「トーストにジャム? バター?」
コンラート
「ジャムで! あぁそうだ、あとお弁当を入れて、服とアクセサリーのバランスを見て、靴を磨いて〜!!!」
ルディ
「小悪魔の代表集会、遅れないようにな〜」
結婚しても、コンラートのカッコ悪さは相変わらずだ。
でも、そんなコンラートでも、アタシにプロポーズしてくれた時は、カッコよかったな。
ルディ
「コンラート。ほら、トースト」
コンラート
「ありがとうございます! では行ってきます!」
ルディ
「あ、待って」
アタシは微笑んでハンカチを手渡す。
Beloved Rudyと刺繍されたハンカチ。
ルディ
「忘れ物」
コンラート
「おっと。これは本当に忘れてはいけないものでした」
コンラートは笑顔で受け取った。
コンラート
「では、集会が終わったら連絡します。今日はランチでも食べましょう」
ルディ
「うん。楽しみにしてる! 行ってらっしゃい!」
コンラートは出掛けて行った。
アタシはBeloved Conradの刺繍がされているハンカチを鞄に入れる。
コンラートの服と同じ香りのするハンカチ。
お昼のランチが楽しみだ。
END【約束のハンカチ】