【Bを選択】
アタシは、怖くてポロポロと涙がこぼれた。
コンラート
「!」
コンラートはハッと、我に返ったようだ。
コンラート
「る、ルディ! すみませんっ! そんなつもりはなくて…!!」
ルディ
「コンラートぉ…怖いってぇ…!」
コンラート
「すみません…ごめんなさい…」
ズルズルとコンラートは崩れるように座り込んだ。
コンラート
「私は何をしているんだ…」
ルディ
「な、なぁ、コンラート…まさか、本気じゃ…」
コンラート
「すみません。ただの気の迷いです。忘れてください…」
ルディ
「忘れてって…コンラートは…?」
コンラート
「………」
ルディ
「コンラートは…その…アタシのこと…」
コンラートは震えていた。
俯いて、うなだれて。
コンラート
「……おかしいなぁ…ただ手を繋いで、ちょっと一緒に歩いただけなのに…ルディを異性として意識するなんて…」
ルディ
「コンラート…」
コンラート
「挙句、無理矢理キスしようとするなんて…私は最低な男ですね」
ルディ
「最低なんかじゃないよ!」
アタシはしゃがみ込んで、コンラートと目を合わせる。
コンラートは涙ぐんでいた。
コンラート
「ルディ…」
ルディ
「えっと…うん、最低ではない」
コンラート
「…ふふ。上手い言葉が見つかってないじゃないですか」
ルディ
「うう…仕方ないだろ……でも、コンラートがそこまで自分のこと責める必要は無いって」
コンラート
「…ありがとうございます」
コンラートは優しく微笑んだ。
+++++
数年後。
陸地の階にある、とある家にて。
ルディ
「今日からコンラートと一緒に暮らすのかぁ」
コンラート
「ふふふ! 私との華麗な新婚生活の始まりですよ、ルディ!」
ルディ
「華麗な、ねぇ〜。屈辱の間違いだったりして」
コンラート
「な!? 屈辱なのですか!?」
ルディ
「あはは! 冗談だよ」
アタシは言う。
ルディ
「コンラートさ。アタシを意識しだした、あの屈辱のデート以来、結婚するまでキスもしてないよな」
コンラート
「そ、それは! 男として、キチンと責任を取れるようになるまで、待っていてほしかったという…!! その…キスだけで止められる気がしなくて…」
モゴモゴとするコンラートに、アタシは微笑む。
ルディ
「じゃあ、もういいよな?」
コンラート
「!」
アタシはコンラートの首に腕を回す。
ルディ
「もう、責任とってくれるもんな」
コンラート
「………ルディ。質問なのですが」
コンラートはメガネをクイッと上げて言う。
コンラート
「子供は何人欲しいですか?」
ルディ
「!」
意味が分かると…という質問である。
アタシは笑顔で言った。
ルディ
「いーっぱい♡」
コンラートはアタシを引き寄せた。
アタシは少し背伸びをした。
END【大人になるまで待っていて】